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ここだけのはなし。【シンママ】気持ちひとつで心が救われるはなし。

ひむかさんのコラム

「母子家庭だから仕方ない、と思いたくないし思わせたくない。そんな考えが強すぎて経済的に苦しいのに子どもが喜ぶところに出かけたり、外食が増えてしまったりする。」

シングルマザーとして、子どもたちに寂しい思いをさせてはいけない、他の家庭と同じように、いや、それ以上にたくさんの経験をさせてあげたいという気持ちが、いつも私の行動の根底にあった。
特に、末っ子の長男はまだ小学生であることもあり、彼の心を寂しくさせたくないという思いは、時に私自身を追い詰めていたのかもしれない。でも、最近になって、子どもたちが本当に求めているものは、そんな特別なことではないのかもしれない、と思うようになった。

先日、少しでも節約しようと、週末は家でのんびり過ごすことに決めた時のことだ。
朝からあいにくの雨で、外にも出られずどうなることかと思ったが、長男はリビングで借りてきた本を静かに読んでいた。上の娘たちはそれぞれの部屋で過ごしていた。

冷蔵庫にある材料を確認し、夕飯はたこ焼きにしようと決めた。
少し早めの時間からテーブルにたこ焼き器をセッティングし、具材もウインナーやチーズなどの長男が好きなものも用意した。時々こうしておうちたこ焼きを楽しむ。

みんなで好きな調味料を準備して、テレビを見ながらたこ焼きを交代で焼き、つつく。

高価なレジャー施設に行かなくても、美味しいレストランで食事をしなくても、目の前にある材料と、ただ一緒に笑い合う時間があれば、子どもたちは十分幸せなのだと気づかされた。

私たちは、つい「特別な日」を作ってあげようとしがちだ。
しかし、子どもたちにとっての幸せは、日々の暮らしの中にあるのかもしれない。
雨の日に家でゴロゴロすること。一緒に夕飯を作って、ちょっと焦げ付かせながらも笑い合うこと。ただただ他愛のないおしゃべりをすること。そんな「なんでもない日常」の中に、子どもたちが大切にしたいと思う、かけがえのない瞬間が隠されているのだと思う。

「頑張りすぎなくてもいいんだよ」と、子どもたちが教えてくれたような気がする。
完璧な母親でなくても、完璧な毎日でなくても、このささやかな幸せを大切にしながら、ゆっくりと進んでいこう。そう思えただけで、心がとても軽くなった。

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