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シングルマザーのひとり言わたしと息子の18年間の時間を振り返って

ryukeimommyさんのコラム

私が離婚したのは、息子が10か月の時でした。

仕事を転々とし、無職の期間の方が長かった元旦那。
同じ職場で働いていたときに結婚したのですが、家庭を持った途端、彼の中で何かが変わってしまったのでしょう・・・収入が安定しない、とても苦しい生活が続きました。
借金をいとも簡単に行い、日に日に負債が増えていくことを何とも思わない元旦那。
出産後、おむつやミルクにも事欠く状況に嫌気がさした私は、「養育費も慰謝料もいらないから、とにかく離婚して、親権を私にくれ」というあまりにも無謀な条件で、離婚をしたのです。

それからの生活はとても大変でした。
正社員の仕事に就けない、頼れる実家もない・・・息子にとっても酷な生活だったと思います。
でも、息子はとても明るく前向きな子に育ってくれました。
お金がないこと、私が必死で節約していることを子供心に感じていたのでしょう。
高校生になると進んでアルバイトをし、家計を助けてくれました。

そんな息子から「進学したい」と打ち明けられたのは高校2年の12月ごろ。
柔道整復師になりたいという夢を息子は持っていました。
ただし、入学金や授業料を合わせると、3年間で400万円近い学費がかかります。
現在の状況では、資金を用意できない・・・そこからは2人で必死に情報収集を行いました。

最終的に息子の出した決断は、「新聞奨学生」でした。

新聞奨学生は、新聞配達の仕事をすることで、学校にかかる費用を出してくれる制度です。
住居費や学費は負担してくれるのですが、新聞配達という仕事を卒業まで続けるのが条件。
私としては朝早い仕事であること、仕事をしながら国家資格を取る勉強をすることに不安があります。
でも、我が家の状況を考えると、これ以上の選択はなかったと思っているのです。

息子の進学先は東京。
私は地方に在住しているので、来年には息子と離れ離れになる生活が待っています。
最近では、18年間の思い出が毎日頭の中をよぎり、大変だったけど楽しかった生活を愛おしく感じます。

無謀な離婚をした母親のせいで、寂しかったり辛かったりしたことも多かったはず。
ただ「嫌なこともあったけど楽しかった。18年一緒にいたから、何となく離れる実感がないね。」と笑う息子を見て、頑張ってきて良かったと思うのです。

シングルマザーを取り巻く環境は決して明るいものではありません。
情けない思いをしたり、バカにされたり・・・私もたくさん嫌な思いをしてきました。

でも息子との生活が終わることになり、振り返って思うこと・・・それは本当にかけがえのない時間を過ごさせてもらったということです。

嫌だったことや悲しかったことも、今では食事中の思い出話になっています。
シングルマザーとして、頑張ってきた自分へのご褒美は、この息子との時間なんだなと思えてきた今日この頃なのです。

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この連載の著者

  • ryukeimommy

    アラフィフのシングルマザー。
    仕事をせずに借金を繰り返す元旦那に愛想を尽かし、息子が10か月の時に養育費・慰謝料ゼロという無謀な離婚を選択する。
    その後は仕事と育児に奮闘。

    「貧しくても楽しい生活」をモットーに、息子との二人三脚で頑張っている。