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マザーポート特別対談【シングルマザーの住まい】家賃と同じくらい大切にした方がいいもの

エリアやグレードを落として安くしようっていうやり方もあるし、
シェアハウスとかそういうコミュニティーっていう選択肢もある。
だからこそ、その人がなにを大事にするのか

第3回 「シングルマザーと住まい」

ただ子どもが1人だと特になんですけども、シングルマザーでお子様お一人で、煮詰まって家の中がなんか幸せじゃないって感じになる方もいるかと思うんです。
今ちょうどお住まいの話が出たので、シングルマザーと住まいについてってところをテーマにしていきたいと思うんですけど、江成さんは子どもが5人いますがどうですか?
サイズがある程度ないとね。
そうなんです。
元々結婚している時に横浜に住んでいて、そこそこ家賃高いですよね、横浜は。
そこで離婚して、子どもも私立行ってたりして、これからどうしようって。
私の給料と家賃って変わんないみたいなね。
そんなところで私は今住んでいる相模原の方に引越しました。
家賃全然違うんですね。
知り合いとか全然いないところに行った感じですか?
元々が私厚木なので、地元には近づいているんですけど、別に親がいるとかではないです。
それぐらいね、家賃の負担ていうのは、大きいかなって。
大きいよね。
確かに。
横浜で確か12万くらいの家賃だった、でも横浜だと普通じゃないですか。
そうですね。
でも向こう行って7万円。
5万円下が李ました。
でも相模原の市役所では、そんな高いところ住んでいるんですか。って言われるし、地域によっても違うじゃないですか。
そうですよね。
えっ、そんな家賃のところがあるのっていうエリアもありますよね。
ありますよね。
住むところは家賃の負担も含めて人数が多いと、狭いというわけにもいかなかったので。
あと、借りるための保証人など。
それはそう、絶対。
それは悩ましいですね!
それが母子家庭だから。
私も一番はじめにシングルマザー生活をスタートさせた時は、貸してもらえなかったです。
保証という意味で。
なので、それがまず苦しかったのと、あとは娘が小学校にあがるときに小1の壁問題っていうのが発生して、そのとき住んでいたエリアには学童保育が土曜日だと誰も来ないので来年から閉鎖しますって。
え、どうしようって。
私の仕事上、土曜日って結構稼ぎ時なので、死活問題だなと思って市役所に相談に行ったら、引っ越すしかないですねって。
そういう感じなんだ。
そんな言い方するんだって思ってたけれど、本当に冷静に考えるとそれしかないという感じになって、住まいを高い家賃ではあるんですけど仕方なく学童が土曜もやっていて平日も遅くまでやっているっていうところに引っ越しました。
学童があるところに住まいを合わせたっていう。
そうなんです。
結果的には、江成さんみたいに安さを重視するのももちろん生活のために必要なんだけど、仕事のために高くはなったけれど、仕事がしやすくなったので、それで得られる安心感もあったのかなって。
なるほど。
石尾さんが、ペアレンティングホームを運営されていて、ペアレンティングホームもただの家賃だけじゃなくて、チャイルドケアの費用とかもあって決して安くはないですよね。
そうですね。そう思います。
どうですか、住んでいる方のお話とか。
そうですね。
やっぱり入居者さんも一人一人が違うので大体こういう意見ですっていうのも中々まとめにくい部分があるんだけど、やっぱり内見に来て下さる方で、もうちょっと安かったら入れるんだけど残念という方は確かにいますね。
でも私自身もそれこそ、自分のことを考えると1Rで息子と2人で住んでいた時はミニキッチンしかないとか、本当にすごい築何十年というアパートで、そのかわりに家賃は4万円のところに住んでいました。
うんうん
そのくらい安いところを探して住んでいたこともあるし、だから本当にその人がなにを大事にするかだと思う。
そうですよね。
シングルマザーのシェアハウス、ペアレンティングホームに関していうと、まあ広さだったりとか。
凄く広いんですよね。
共有部分とかもあるけど、やっぱりコミュニティーっていうところに価値を感じて入って来てくれる人がいるかなと思う。
コミュニティーは大事ですね。
凄く大事。
私も、夜家に帰って泣いてるってことがあったわけ。
もう泣いて泣いて泣いてどうしようっていうね。で息子が慰めてくれて、大丈夫だよ!って。
かっこいい。男の子いいね。
やさしい。
そういう中で、シェアハウスにいたら、とりあえずなんかで冗談言ったりして笑っているんですよ、入居者さんたちを見ていると。
一人一人の心の中にどうしようかなとか、先が見えないとか、あの仕事のことどうしようとか、明日はまたあの人に会わなきゃいけないのかとか、色んなマイナスな気持ちもあるんだと思うんだけど。
うんうん。あるでしょうね。
とりあえずリビングでみんなで顔合わせて、なんかの事で笑っているんですよ。
だからその笑う相手がいるっていうことが凄く有り難い。
不安とかって1人で居る方がね、どんどん膨らむんですよね。
だから自分だけじゃないんだ、同じ事で悩んでいるんだ、とりあえず笑っとこっかだけでも軽くなったりね、なるじゃないですか。
うんうん
それ大事ですよね。
本当そうですよね。
だからその住まいっていう中には、1つはエリアを変えて安くしようっていうのと、私みたいにサイズを落としたりとかグレードを落としたりとかして安くしようっていうやり方もあるし、でもやっぱりシェアハウスとかそういうコミュニティーっていう選択肢もあって。
シェアハウスっていう選択肢が昔無かったもんね。
そう!無かったから。
そう!だから創ったんですよ!
あったらどれだけ良かったかって思う。

家賃だけでなく気軽に相談できるコミュニティーも大事

結局シングルマザーでさ、子どもの悩み、例えば学校のお勉強があまりにも出来ないとか、なんかこういう性格傾向ってどうなのかなって思っている時に、シングルマザーじゃないママ友に相談するのって、私はすごくしにくかった。
確かに。
なんかそうすると言葉ではわからないけど、やっぱりお父さんが居ないからじゃないって思われてんじゃないかなって自分が思って、もう言えないの。
うんうん
大変だよねって向こうが共感してくれても逆になんか違う気がして。
そう! それが逆に自分にとっては落ち込みの原因だったり。
それが分かるからもう相談しない。
で、そういう中で相談できる、話が出来るのは、シングルマザー同士だったんだよね、私の場合は。
うんうん。本当そこ大事。
だからやっぱりシングルマザーね、一緒に住める家を創りたいって想いからペアレンティングホームは生まれてきた。
なるほど。
あって良かったって思いますよね。
うちは子どもが多いのでシェアハウスっぽいっちゃぽいんですよ、人数的にはいっぱいいるので。結構笑顔で。
ただ、もし私が子どもと1人2人だったらそう居られたかなってやっぱ思います。
そう。2人だとイライライライラしちゃって。
そう。どうしても子どもってイライラさせるの得意じゃないですか。親をね。
だから仕事で疲れていたり、不安を抱えて。一対一で。
本来だったら一番こっちが笑顔を与えてあげなければいけない相手に、笑顔で居られる自信が私もないから。
たまたま私は、5人いたのね、そこは救われているけども。
ぜひ離婚する人、離婚する最初にシェアハウスを知っていたら、そこからスタートしてくれる人が増えたら、凄くその後がね、2年でも3年でも楽になるんじゃないかなって今思う。
そうですね。いや本当にそう思いますね。

第4回に続く

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この対談のメンバー

  • 波柴 純子さん

    子供が3歳の時にシングルマザーとなり、お金の不安がきっかけでファイナンシャル・プランニングに関心を持つ。
    それまで苦手だったお金・制度の知識を学ぶとことで日々の暮らしが安心に変わるのを感じ、これを他の人にも伝えたい、と転職を決意。

    金融機関のファイナンシャル・アドバイザーとして約7年の経験を積む中で、子育て世代の多くが抱える未来への漠然とした不安をなくすには、お金のリテラシーを持つことと同時に、自分の価値観を明確にすることが必要だと確信するようになる。

    2013年に独立し「私が未来をデザインする」という想いを込め、Cras-i design(クラシデザイン)と名付ける。
    シングルマザーや起業家など、本気で自立したい女性にを対象に、個別相談・講演・執筆活動を行っている。
    プライベートでは2015年に再婚、第2子を出産。

    Cras-i design(クラシデザイン)ファイナンシャル・プランナー
    一般社団法人 日本シングルマザー支援協会 理事
    一般社団法人 ウーマンズ・エンパワメント協会 理事
    一般社団法人 日本女性起業家支援協会 コーディネーター

  • 江成道子さん

    1968年8月生まれ
    一般社団法人日本シングルマザー支援協会(横浜市)代表理事
    一般社団法人ウーマンズエンパワメント協会(横浜市)代表理事
    株式会社マーチ(中央区)シングルマザー事業部部長
    シングルマザーの支援を通して、企業や行政との連携の中で、支援とビジネスの融合を目指し活動。2014年8月にはシングルマザー向けの就職イベントを横浜で開催。会員数1300名を超え、日本で最大のシングルマザーコミュニティを運営し、ソーシャルアントプレナーとしての役割を担う。

  • 石尾ひとみさん

    シンクタンク「環境企画研究所」勤務を経て、1988年よりフリーランスで執筆活動を開始。

    スキューバダイビング、マウンテンバイクなどの趣味を活かして、レジャー施設開発プロジェクトに多数参加。「女性関連市場」をメイン・テーマとする。「女性の仕事と育児の両立」「男女参画社会の実現」などの問題に深くかかわる。

    自らワーキングマザーとして仕事を続けてきた経緯から、「働く親の現実に則した保育環境の実現」を目標にかかげ、2000年「こどもの森ほいく舎」を開設。
    福祉の枠を超えた民間による保育のあり方を提言している。

    執筆・セミナー講師・教材制作・調査・取材などのプロジェクト運営と並行し、保育園の園長を担っている。

    2012年、シングルマザーとその子ども達のためのシェアハウス「ペアレンティングホーム」のコンセプトメイキング、運営にかかわり、多数のマスコミに取り上げられた。
    「ペアレンティングホーム」は、第8回キッズデザイン賞の「子どもの産み育て支援デザイン 個人・家庭部門」に入賞した(2014年)。

    また、ジャズシンガー「 ‘s Honey」(スハニー)として音楽活動を続けており、2010年ジャズレーベルart of spirit(s) よりアルバム「La,la,mu」をリリースしている。