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「節約だけでは不安は消えない。」お金が苦手だったファイナンシャルプランナーが思うこと。

2016/03/23 | 波柴 純子
「節約だけでは不安は消えない。」お金が苦手だったファイナンシャルプランナーが思うこと。

私は子どもが3歳のときにシングルマザーとなり、自分自身のお金の不安がきっかけでファイナンシャルプランニングを学び始めました。

それまでお金のことは苦手で避けていましたが、藁にもすがるような思いでテキストを読み進むと、「知っていると安心」な制度や、「知らないと困る」日本の現状に気づきました。

こういう知識は必要とされるはず、という思いで金融未経験ながらも保険会社のコンサルティング専門部署のアドバイザーに転職し、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格をとりました。

今はFPとして、また、日本シングルマザー支援協会の理事として、シングルマザーにとって一番の関心ごとでもある「お金の不安」をクリアにするお手伝いをしています。プライベートでは2015年に再婚し、上の子と12歳違いの下の子が産まれました。

節約だけでは不安は消えない

さて、お金の不安をなくすためには何が必要でしょうか。

FPの私のところに相談にくるシングルマザーの中には、とにかく「出て行くお金」をセーブしなくては、という強迫観念に駆られている方も多く、家賃など支出に占める割合が高い費用はなるべく抑えようとします。

でも私は、(もちろん全体のバランスを考慮した上で、ですが)「多少家賃の割合が高めでも、健康的で心地よく過ごせ、頼れるコミュニティがある環境ならいいのでは」とお伝えしています。

家賃をおさえたいあまり、送り迎えに不便なところや治安の悪いところに住むと、他の負担が増え、母親の本業に影響が出ることもあるからです。

お金の不安を解消するためには、出て行くお金をコントロールしたり、効率的な貯め方を知ったりすることも大切ですが、入ってくるお金、つまり自分の稼ぎ力を高めることも重要です。そのためには仕事にしっかりと打ち込める環境が重要です。

さらに言えば、周囲のコミュニティほど重要なものはありません。必ずしもリアルなコミュニティでなくても良いと思いますが、孤独ではない、そして安心で安全な居場所があることで、マインドは前向きになれるのです。

そのためのコストは、ある意味必要経費といえるのではないでしょうか。

孤独じゃないから成長できる

私自身もシングルマザーになって保険会社に転職したばかりで、まだクライアントがいなかったころ、遅い時間や土日の面談を要望する方にも対応したくても、保育園の預け時間ではそれが叶わず、焦りや周囲への不公平感を持っていました。

この先どうなるんだろう。このままお給料が下がっていったら、娘を育てられないかも。

真っ暗闇の中で綱渡りをするような日々。もう、この綱から落ちてしまった方が楽かもしれないとすら思いました。今でも、ニュースで母子の悲しい報道があるとその頃の自分と重ね合わせてしまいます。

そんな私をサポートしてくれたのは、家が近所で親しかった「山さん」という女性でした。もうご自身のお子さんは成人している年代で、面倒見が良くみんなから慕われている、そんな山さんが、「じゅんちゃん、お迎え間に合わないときは代わりに行ってあげるよー」と声をかけてくれたのです。遠慮している余裕すらなかった私はひんぱんにお言葉に甘えてしまいましたが、そのおかげで徐々にクライアントを増やしていくことができるようになりました。

さらに、山さんのお家に娘を迎えに行きがてら、ご家族みんなと夕ご飯を食べつつおしゃべりしていると、慣れない仕事で感じる自分の至らなさも、日々バタバタしている中での娘への罪悪感も、なんだかちっぽけなことに思え、次の日はまた頑張ろうと思えるのでした。

もし、シングルマザーとして、そしてFPとしてのスタートアップのあの時期に山さんがいなかったら、今の私はいないと思っています。

自立の始まりは「居場所を持つこと」

シングルマザーの不安をなくすためには、経済的な自立も重要ですが、精神的にも自立することが重要です。福祉制度や他人の価値観に依存していては、いつまでたっても心からの安心は得られません。ただし、「自立」と「孤立」は全く違うものです。

私は、自立はコミュニケーションの中で養われるものであり、そのコミュニケーションの第一歩は安心して頼れる「居場所」を持つことだと考えています。

私の場合はそれが「山さん」のお家でした。もしあの居場所がなければもっと後悔を引きずって、自分にも他人にもダメだしをして、未来を信じられず、前に進めなかったと思います。

安心して自分をさらけ出し、みんなで笑いあえた時間こそが、すべての原動力でした。そして物理的な意味でも、山さんがいたからこそ収入を上げるためのチャレンジをすることができました。

でも、すべてのシングルマザーが私のようにご近所のお友達に甘えられる図太さを持つわけではなく、すべての街に山さんがいるわけではありません。

シェアハウスという「居場所」

シングルマザーの方から相談を受けるたびに、どうしたらみんなが居場所を持てるだろう?と考えました。そんな時、初めてシェアハウスを見学する機会があり、入居者同士が良い距離感を保ちながらお互いを受け入れていることに衝撃を受けました。

「シングルマザーが住めるシェアハウスがあったらいいのに。そうだ、私の目標はシングルマザーのシェアハウスのオーナー!」と思いつき、いろんなところで話しているうちに、ペアレンティングホームと出会い、入居者のいきいきした姿に直に接する機会も得ました。

もちろんシェアハウスに住めば悩みが全て解決するわけではありません。ですが、シングルマザーの悩みの根源でもある「孤独」を解消し、「経済的な不安」解消にも繋がる可能性の高い手段の一つとして、こうした場所がスタンダードになることが私の夢です。

自分と、そして子どもの人生をより良くしたいという決断をしたシングルマザーの方にこそ、安心・安全な「居場所」を確保して、前に進んで欲しいのです。

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波柴 純子

子供が3歳の時にシングルマザーとなり、お金の不安がきっかけでファイナンシャル・プランニングに関心を持つ。 それまで苦...

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波柴 純子

子供が3歳の時にシングルマザーとなり、お金の不安がきっかけでファイナンシャル・プランニングに関心を持つ。 それまで苦...

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