
第2回
ファイナンシャルプランナー波柴純子さんが聴く〜シングルマザーの仕事と子育て〜北欧旅コーディネーター戸沼さん【中編】
逆転の発想でピンチを楽しみに変える
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- 先ほど普段は節約を心がけている、とのことでしたが特に意識していたことはありましたか?
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- 家でご飯を食べることです。下手に外食したり、適当にお菓子を買ったりは本当にしなかったです。
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- それは子どもとの時間の過ごし方としても理想的ですね。 以前シングルマザーの生活実態についてアンケートを実施したことがあるのですが、罪悪感を感じる時はという質問に対して、忙しくて子どもに1人でご飯を食べさせることや、疲れてしまい外食やお弁当ばかりになることなど、食に関わる罪悪感がトップだったんです。 でも毎日手作りするのは大変ではなかったですか?
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もちろん、毎日手をかけるのは無理です。ちゃんと作るのは週に2回ぐらい、
そのときに、食事の大切さや食材、農家さんのお話などをたくさんします。
単純に添加物やジャンクフードを食べさせたくなかったので、ジュースも買わないし、スナック菓子もない。
けれど5日は手抜きするというか、ちゃちゃっとただ野菜を蒸したり、野菜炒めで良いのね。その方がよっぽど暮らしが豊かで、節約もできると思います。
さらに、月1回仕事で本当に忙しいときだけは、マクドナルドやお弁当屋さんに行くという恒例行事がありました。非常に特別感がある日で「お弁当を買うよ」なんていうと、子どもも「やったー!」って。
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- なるほど、楽しみなイベントにしてしまうわけですね!それなら罪悪感もなく一石二鳥ですね。
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そう、本当は仕事に集中したいからそれしか選択肢がないのですが、逆にそこをイベントにして。「今日は行っちゃおう!ジャンキーな道へ」みたいな(笑)。罪悪感ではなく、子どもの喜ぶメンタリティーに持っていくように考えました。
私は養育費をもらっていないこともあり、やりました。
でも、ピンチを逆転の発想で乗り越える、チャンスに変える。
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- できないことに意識を向けるよりは、楽しんで前向きに向き合う感じですね。 お金のピンチはどんな風に乗り越えましたか?
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もう本当に困ったときは、子どもたちに正直言っていました。
子どもは、特に長女はそういうのを敏感に感じる子だったので、お年玉を貯めた通帳をこれ電気代に使ってとかいって持ってきたことがありました。もうしょうがなくて本当に使わせてもらったり。
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- そこで不憫に思うのではなく、運命共同体だね、みたいな。
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- そう、とにかく一緒にこの航海を進んでいこう、という同志ですね。子どもに心配をかけちゃいけないと思うと辛くなる。母親が正直でいるっていうことは大事だと思っています。
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そう思います。わたし自身が父を早くに亡くし、母に育てられたのですが、やはりお母さんを助けたいんですよね、子どもって。
母は、ひとりで抱え込むタイプで、私にネガティブな部分を見せないようにしていたのですが、それが寂しかった。本当はすべてさらけ出してほしかったなと思っているので、自分の娘には困っていることや、落ち込んでいることを共有します。正直でいることで絆が強くなる気がするし、解決案を一緒に考えてくれたりすることで、子どもの主体性も育つと思います。
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- そうですね。ひとりで抱え込まない、というのも大事ですね、3年前フィンランド在住の日本の方が、フィンランドで一番学んだことを教えてくれたのですが、一言でいうと、「ポジティブに諦める」こと。ようやく今年になってその意味がわかって、本当に手放せるようになりました。できないことはできないですから。
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- それ大事なことですね。できないことに目を向けるよりは、今できることを精一杯したり、できる人に助けてもらうとか、その方が建設的。
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周囲にも助けられました。
別れた主人やその家族とも仲がよくて時々食事をするのですが、子どもがその度に説教されるんです。箸の持ち方とか、食べ物残すなとか。わたしは楽しく食べることを優先していて、あまりしつけ的なことをうるさく言いたくないので、父親が厳しく言う役割を担ってくれてありがたいと思います。
おじいちゃんおばあちゃんも色んなところへ連れて行ってくれるし、近所の方も、褒めてくれたり、ときには怒ってくれたり、遊びに来てくれたりという中で育っているので、もう色んな人たちと一緒に育てたという感覚です。
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- 多様な価値観の中で育つのは大切ですね。
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- 異なる教育方針に触れることはむしろ良いと思います。どんなに素晴らしい教育方針でも、それしか知らないと考えが偏るので。食事も色んな人のとこにいって、色んなものを食べることが大切。おばあちゃんのとこでは、いつも牛乳が一番大事なんだよっていわれていて、わたしは牛乳を家に置いていないので、おばあちゃん家に行くと牛乳いっぱい飲んで、うちでは水みたいな。
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- まさに多様性ですね。
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