ファイナンシャルプランナー波柴純子さんが聴く〜シングルマザーの仕事と子育て〜北欧旅コーディネーター戸沼さん【前編】
この対談のメンバー
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波柴 純子さん
子供が3歳の時にシングルマザーとなり、お金の不安がきっかけでファイナンシャル・プランニングに関心を持…詳細はこちら -
戸沼 如恵さん
1966年2月8日 埼玉県生まれ。 立教女学院短期大学卒業後、JTB勤務や秘書などの仕事を通して語学…詳細はこちら
目次
- 2016-09-03第1回 北欧旅コーディネーター戸沼さん【前編】
- 2016-09-17第2回 北欧旅コーディネーター戸沼さん【中編】
- 2016-09-25第3回 北欧旅コーディネーター戸沼さん【後編】
北欧旅コーディネーター戸沼さん×ファイナンシャルプランナー波柴さん【前編】
戸沼如恵さんのプロフィール
1966年2月8日 埼玉県生まれ。
立教女学院短期大学卒業後、JTB勤務や秘書などの仕事を通して語学力と旅のコーディネート力を磨く。
その後は2人の娘を育てながら自分のビジネスを持ち、自然農法の実習経験や家庭体験教育の認定講師の資格を持つ。
2010年4月、長女のデンマーク留学をきっかけに「北欧スタイルのエコでオシャレな旅づくりをしたい」という思いでエコ・コンシャス・ジャパンを設立。
ツアーコーディネーターとして活動している。
波柴さんのプロフィール
Cras-i design(クラシデザイン)のファイナンシャル・プランナー として、シングルマザーや起業家など、本気で自立したい女性を対象に、個別相談・講演・執筆 活動を行う。
国際的な子育てに必要なものはお金ではなく◯◯
- 北欧の文化や社会のあり方に触れるツアーを企画しているという国際的なお仕事をされている戸沼さんですが、お嬢さんは二人とも留学したのですよね。
- 長女は高校時にデンマークに交換留学して、次女はアメリカの大学に入学しました。
- すごい!経済的な理由で進学を諦めているシングルマザーや、逆に大学行かせるために身を粉にしている方もいますが、留学資金の準備はどうしてきましたか。
- 高校の交換留学は、かえって普通の高校に行くより安いですっていう方法を見つけました。ロータリークラブの交換留学制度は、ホストファミリーや学校の経費はロータリークラブが出してくれるんです。
- そんな制度があるのですね。でも条件が厳しいのでは?
- もちろん試験もあるし、何より本当にやる気があるかどうかが一番問われます。帰国後の後輩の指導やお手伝いも条件でした。けれど実費は、航空券と保険代、オリエンテーション代なので、日本で高校に行くより安かったです。
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非常に貴重な情報ですね。
お金がなくて色々できないのではなく、アンテナを立てていればいくらでも情報が入ってくる。
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情報は大事ですね。
お友達の娘さんは、ピースボートで半年ボランティアとして行って、向こうで働くというワーキングホリデーの形なので、費用はほとんどかからないそう。
留学させなくても海外に行きたいという気持ちがあれば、いくらでも方法はある。
なので本当に行かせたいかどうか、本人も本当にやりたいかどうかっていうマインドが一番大事で、奨学金という制度もあるし、上手に利用すれば海外の大学に行くことも可能。より多様性のある自分の中の感性を育てると思います。
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そのお話を聞いて、みんな勇気が持てると思います。
妹さんはどのような方法で海外に行かれたのですか?
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次女は、まず日本で1年間、アメリカでやっていける力をつける学校に通ってから、日本の奨学金を借りてアメリカの4年制大学に入学しました。
ただ、娘が思い描いていたような学びができないことがわかり、尚且つ、とてもお金がかかりました。大学の学費だけでなく寮の費用もあって毎月30万円近くかかりました。
- もう奨学金では賄えない金額だったのですね。
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わたしが一生懸命働いても難しく、もう学校を変えようということになりました。
学費が年間100万円前後の2年制のコミュニティカレッジ(日本でいうと短期大学と専門が一緒になったところ)に編入してグラフィックデザインを学びました。その2年間でとてつもなく力をつけて、グラフィックデザイナーとしてきちっと肩書をつけて帰国したんです。
- 学費は日本の大学とほぼ同じか少ないくらいですね。
- さらに娘も現地で安く暮らしていく術を学んで、アパートを友達とシェアして月4万円くらいでやりくりするように。結果的にベストな方法を見つけて、お金の算段もついて無事に卒業できました。
- 素晴らしい!想定外の状況であきらめず、再チャレンジという折れない心が素晴らしい。
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娘が心折れたら、もう就職しなさいと言ったかもしれません。でもやっぱりアメリカでやりたいという気持ちがあったようで。
何よりも一番身についたのは、自分でやっていける力。
日本では簡単にできることができない。それでもこの件に関してはこの人に頼ろうとか、様々な自分なりのリソースを見つけてなんとか生けていける力が、20代前半でついたと思います。
- いま振り返ってみて、その力を育てたのはどんなことですか?
- 国際的に育てたいと思う気持ちは強かったので、わたしは普段節約型なのですが、海外旅行だけは別でした。小学生の間にハワイのマウイ島でコンドミニアムで暮らすように滞在したり、海外には何度も連れて行きました。
- 子どもにとっては貴重な経験。小さいときに行ったからからこそ興味がわいたのでしょうか。
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それが、最初は英語を話せなくて言葉が通じない怖さから、話しかけられても「うわ〜ん」と逃げてきたりするくらい。
「留学したら」と言ったときも「絶対行かない」と言っていました。けど仲の良いブラジル人家族のBBQパーティに行ったり、外国人の友人といつも英語で話したりしているうちに、違和感がなくなって、自然と娘たちが留学にいきたいと言い出すきっかけになったと思います。
この間次女と話をしていて、英語どう?って聞いたら、英語ってそもそも何かを学ぶための道具に過ぎないから好きとか嫌いとか、勉強したい、話したいっていうものではないと。
英語を通してグラフィックデザインを学べる程度のスキルは普通についたそして、そのことがとても嬉しかった。
私が一番望んでいた国際的な教育。
- 海外旅行への支出を惜しまなかったことで、いま自立のためのマインドやスキルが得られているというのは、ある意味リターンの高い投資だと感じます。
- 英才教育する余裕があるわけではない、だからこそお金をかける所とかけない所をハッキリと決めていました。お金をかけたのは、海外に出ることと、歯の矯正です。
- え、歯の矯正ですか!
- 歯並びは、健康や見た目はもちろん、人生を左右すると思って矯正し、定期的に歯科を受診したので、虫歯が一本もできなかったんです。
- それもトータルコストとしてお得かもしれませんね(笑)虫歯の治療費って意外にかかりますし自費のこともある。スポーツや楽器の上達も歯並びが影響すると聞いたことが。戸沼さんのこだわりはとても個性的ですが、目先にとらわれず、子どもの人生全体を見通しているところを見習いたい。
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